日中はまだまだ暑いものの朝夕はようやく秋の気配が漂う9月21日(日)、本山より三宅舜学上人をお迎えして秋季彼岸会並びに慈泉院殿温和妙真大姉報恩会が厳修されました。
午後2時から始まった法要では道場偈、切散華と進み、自我偈の訓読のところで焼香が行われ、先師先哲、慈泉院殿温和妙真大姉、並びに各家先祖代々の諸精霊に追善回向をさせていただきました。
法要終了後、岩田上人はお彼岸の意義について話された後、杉山先生が村上先生と邂逅された時、当時苦境の最中にあった村上先生への教化の言葉を紹介されました。「あなたが今の苦しみを逃れる方法は、仏様の教えを信じて実行し、世の中の悩める人を救ってあげることです。多くの人が救われた時、あなたの不幸の因果は消滅することでしょう。」結びとして岩田上人は、「皆様もお彼岸中に色々な人を彼岸に渡してあげようと誓って精進していただきたいと思います」と話されました。
続いて三宅上人は堪忍を守って功徳を積むことの大切さについて具体例を挙げて話されました。中でも、20歳で強盗殺人事件の冤罪に巻き込まれ、無期懲役の判決を受けて服役し、49歳で仮釈放され、64歳で逆転無罪を勝ち取った人の話は驚きでした。冤罪からこの人を救おうと立ち上がった人々がいたからこそですが、この人は自分を助けてくれた人々に感謝し、「人間の真心からの愛をこんなにも味わえる刑務所は生きる喜びだった」と語ったそうです。三宅上人は「そういう心になれるように日々徳を積んで精進していきたいものです」と結ばれました。
法話終了後、思いがけないサプライズがありました。実は三宅上人は新婚ホヤホヤのお庫裡さまと一緒に来られていたのです。そこで、お庫裡さまにも登場していただいてお披露目の時間が設けられました。奇しくもこの日はお庫裡さまの誕生日でもあり2重の喜びを込めてお庫裡さまに花束が贈呈されました。最後に三宅上人から、「このような温かい時間を作って頂きありがとうございます。これからも法音寺のために二人で力を合わせていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします」と満面の笑みでご挨拶されました。
「お二人の幸せな笑顔を拝見してこちらが幸せな気分になりました」という感想があちこちで聞かれ、幸せ感満載のうちに本日の講日は終了しました。
