4月15日(日)、第44回研修会が行われました。午前10時より本堂にてお勤めをした後研修棟に戻り、先師御報恩納経の写経をしました。その後、高槻支院としては初の試みとして、京都の由緒ある香木店より外部講師をお招きし、「お香の効能について」と題する特別セミナーを開いていただきました。「沈香木」と呼ばれる原木のお話や、東南アジアから日本に伝来した由来、そしてお香の効能としての「香十徳」についての説明がありました。例えば、「感格鬼神」(感覚が研ぎ澄まされる)、「能除汚穢」(心の汚れを取り除く)、「静中成友」(孤独や寂しさを癒す)、「塵裏楡閑」(身心をリラックスする)など、初めて聞くことばかりでした。これだけではなく、3グループに別れた机の上には瓶に収納された8種類の香原料が並べられ、匂い袋作りの体験もすることができました。最初は匂いのベースとして講師により指定され分量を各自お椀に取り、最後に自分の好みの香料を継ぎ足して世界で一つしかない匂い袋を完成させました。線香に慣れている私達ですが、なかなか普段できない体験をさせてもらいました。

昼からは信教師による体験談がありました。仕事の関係でなかなかお寺の行事に参加することができなかったが、開教100年の年に何としてでも本山にお詣りすることをお誓いしたら、図らずも旗手として十数年ぶりに本山にお詣りすることができた。そして今まで以上に関哉先生のカバン持ちとしてあちこち随行していく機会も増え、やがて浄心道場入行の声がかかり信教師となった経緯を話されました。また、最近の話として、自宅の裏にある水路に捨てられていた筒が、いつの間にか自宅の裏庭に置かれていたが、お隣の奥さんが置いたものと思っていたので、これは自分がゴミの日に処分すれば良いことであると思い、小さいことながらも自行化他の行いを実行したお話をされました。

その後、本堂で「提婆達多品第十二」のお経練習をした後、日達上人の「化城喩品」に関する解説を学びました(法華経の目的は成仏=変わらない幸せであるが、求道の旅に疲れた衆を癒すために、仮の目標を設定し、さらなる前進の心を呼び起こしたというお話)。最後に、「出世の栞」第36号に掲載された当時の鈴木芳蔵氏(慈学上人)の体験談をみんなで輪読して本日のプログラムを終了しました。

今日一日の結びの言葉として、岩田上人は、「苦しみに出合った時には喜べた時のことを思い出すと良いと思います。自分の心の中に中心点をきちんと持っていると信仰にブレがなくなると思います。基本は喜びの心で無理のない信仰をすることが良いと思います」と締めくくられました。

[本日の参加者の感想です]

○今日はいろいろな事が学べて、充実した一日で良かったです。
○日達上人の「化城喩品」の解説を学び、自分も疲れる時があるが、そういう時もあっても良いのだなと思うとホッとしました。
○疲れたら一服するのも良い。たまに休んでまた明日からまた頑張ろうという気持ちが大事だと思った。
○「お香の効能」は、どんなお話が聞けるかワクワクして来ましたが、期待以上の体験ができて大変楽しかったです。
○慈学上人の体験談を読んで、自分はまだまだ至らないと反省しました。同時に、心に喜びを与えることを一番にやっていきたいと思いました。