8月11日(火)、盂蘭盆会・施餓鬼法要が営まれました。盂蘭盆会の宝前の飾り付けは毎年少数の宝前係によって行われていましたが、今年は諸事情が重なり、主として未経験者が経験者の指示を受けながら、また前年度の写真を見ながら設営を行いました。7人がかりで丸2時間を要する大変な作業でしたが、例年と変わらない見事な宝前の設営が出来上がり、関係者一同胸を撫で下ろしました。

 午後2時から本山講師に大庭淳学上人、お手伝いとして三宅舜学上人をお迎えし、岩田上人導師の下法要が厳修されました。盂蘭盆会の法要次第はいつもと少し趣向が異なり、普段聞くことのない行堂文や汝等鬼神衆などが唱えられ、盂蘭盆・施餓鬼ならではの特別な雰囲気が醸し出されました。

 法要終了後、岩田上人はご法話の中で、「お盆に帰られた先祖や縁ある人の霊は頼れる人のところに供養を求めて行きます。お盆期間中は特に先祖供養を忘れず、家族仲良く過ごしてご先祖様に安心してこの世に帰っていただけるように心がけてください」と話されました。続いて舜学上人は、四摂法について話されました。四摂法とは、布施、愛語(慈悲や愛情を持って語る)、利行(利他)、同事(相手の立場になって考える)の4つで、特に愛語について具体的な事例を紹介されながら、「人を受け入れ、安心を与えるような言葉を発することが大切です」と強調されました。最後に、淳学上人はお盆と施餓鬼の由来について話されました。目連尊者と阿難尊者の故事や汝等鬼神衆の経文について説明され、「布施の行をし、人を助ける働きをして、その功徳を自分のためだけでなく、自分の先祖の方々や有縁無縁の人々にも回向しましょう」と結ばれました。

 今年はコロナ禍のためか、例年に比べると参詣者の人数は少なめでしたが、猛暑の中を物ともせずお参りされた方はさぞかしお徳を一杯頂かれて家路に就かれたことと思います。